維新八策（維新の会版の船中八策）の概要

橋下率いる大阪維新の会は、国政を睨んで「維新八策」という基本理念を発表しました。いうまでもなく、これは明治維新時に坂本龍馬らが掲げた「船中八策」を祖としており、日本の統治機構を変えるという橋下の強い意志の現れでもあります。ここでは、維新八策の各項目を紹介すると共に、特に重要な政策だけをピックアップして併記します。

（１）統治機構の作り直し
大阪都構想と道州制の実現、地方交付税を廃止して消費税を地方税化する、
地方分権の推進は、霞ヶ関官僚の権力を削げる。今の日本にもっとも必要な政策。

（２）財政・行政改革
基礎的財政収支の黒字化、歳入庁の創設、国会議員定数や歳費や政党交付金の削減

（３）公務員制度改革
公務員を身分から職業へ （大阪職員基本条例の発展系）

（４）教育改革
教育委員会制度の廃止、首長に権限と責任を、学校選択制

（５）社会保障制度
年金を積み立て方式へ変更（富裕層の保険料は掛け捨てに？）
保険料は歳入庁が強制徴収
最低生活保障制度を創設（ベーシックインカム？）

（６）経済・雇用・税制
TPP交渉への参加、脱原発、資産課税の強化、簡素な税制へ（フラットタックス）
国民総背番号制、その他徹底した規制緩和
※注意；TPPへは「交渉に」参加するという意味で、実際に参加するかはその後判断するという意味。

（７）外交・防衛
憲法９条についての国民投票、日米同盟を基軸、日本全体で沖縄の基地負担を分担

（８）憲法改正
憲法改正要件を３分の２から２分の１に緩和
首相公選制、参議院の廃止を含めた改革

赤字で書いている部分は最重要項目で、中でもアンダーライン付きの物は「橋下の存在意義そのもの」と言える改革です。逆に青字の部分は「明らかにおかしい」と思われる政策です。米軍基地は沖縄という立地にこそ意味がある訳だし、経済政策に関してはもうメチャクチャと言っても過言じゃありません。はっきり言いますが、橋下は経済音痴です。

しかし、当サイトで何度も述べているように、橋下は「壊し屋」として、霞ヶ関の官僚利権政治をぶち壊してくれること『だけ』を期待すべきなのです。

ですから、赤の太字の部分「道州制の実現」と「歳入庁の創設（≒財務省の解体）」を行ってくれれば、橋下の役割は十分です。「脱原発」や「財政収支の黒字化」まで行えればなお良いですが、そこまで行けなくても、道州制と歳入庁で霞ヶ関官僚の権力を削げるので、ホントに十分です。

そもそも、全ての問題が一回でスムーズに解決するなんて事はあり得ません。まずは橋下には日本改革の切り込み隊長として、官僚機構を破壊して貰い、その先に他の人達で経済政策等を練っていけば良いでしょう。